虫食い民法条文、虫食い判例で資格試験を突破せよ!

司法書士試験、行政書士試験等向け。javaScript版の穴埋め条文、判例。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

別窓 | スポンサー広告
∧top | under∨

民法 第369条(抵当権の内容)

第10章 抵当権


第1節 総則


第369条(抵当権の内容)
1 抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
2 地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。この場合においては、この章の規定を準用する。

重要度:4

メモ書き:
(1)抵当権の目的は、所有権、地上権、永小作顕、工場財団等各種財団、登記された立木、船舶、航空機建設機械、自動車等登記登録ができるものに限られる。
(2)抵当権者は、目的物を使用することができず、設定者の使用収益に任せなければならない。
(3)債権の弁済が受けられなかった場合に、目的物から生ずる収益または交換価値から優先して弁済を受けることができる。
(4)不従性、随伴性、不可分性、物上代位性、優先弁済的効力がある。
(5)被担保債権について
1. 期限付き債権、条件付き債権等将来発生する債権でもよい。
2. 金銭債権でなくとも良い(債務不履行時には金銭債権となるから。「債権価額」が登記される)。
3. 債権者が同じなら債務者が異なっても数個の債権を目的として設定できる。
4. 債権の一部を目的として抵当権を設定できる。
5. 被担保債権が公序良俗に反して成立した場合等無効の場合、抵当権は無効である(大判昭8・3・29参照)。但し、被担保債権が不当利得返還請求権に転化して残存する場合、抵当権はこれを担保する(最判昭44・7・4)。

(6)判例
1. 互いに主従の関係にない二棟の建物が工事により一棟の建物になった場合(合体)、合体前の各建物に設定されていた抵当権は、合体後の建物のうちの合体前の各建物の に応じた持分を目的とするものとして存続する(最判平6・1・25)[15-10-ウ]。

2.将来一定の時期に成立すべき条件付債権(保証人の求償権)を被担保債権として抵当権設定登記をなすこと (最判昭33・5・9等参照)[18-16-ア, 63-17-1]。

3. 虚偽の申請によってなされた抵当権抹消の登記は,不当な登記であり,抵当権の対抗力は失われず,登記なくして抵当権を第三者に対抗することができる(大判明31.5.20)[60-8-2]。

4. 抵当権が債務の弁済によって消滅したにもかかわらず抵当権の登記を抹消しないでそのまま存続させ、これを後に発生した債権のために流用することは、流用 に現れた第三者に対して有効であるが、流用 に現れた第三者に対する関係では無効である(無効登記の流用の判例:登記の流用を認めても第三者に不測の損害を及ぼさない場合には認めている。但し、不動産登記法で聞かれたら流用はできないと常に答えた方が良いです。)(大判昭11・1・14、大判昭8・11・7) [63-17-5]。

5. 債務者が抵当物に対して滅失毀損等事実上の行為によって侵害を加えたときは、 の侵害となり、被担保債権の弁済期の前後及び、抵当権の実行着手の前後を問わず、抵当権者はその排除を請求しうる(大判昭6・10・21)[1-5-5, 20-14-イ]。

6. 抵当権侵害による の算定は、抵当権の実行前でもすることができる(大判昭7・5・27, 大判昭11・4・13参照)[13-12-ウ]。

7. 第三者の不法占有によって競売手続の進行が害され適正な価額よりも売却価額が下落するおそれがあるなど、抵当不動産の交換価値の実現が妨げられ抵当権者の優先弁済請求権の行使が困難となるような状態があるときは、抵当権侵害となりうる。この場合、抵当権者は、抵当不動産の所有者に対して抵当不動産を適切に維持または保存するよう求める請求権を保全するため、所有者の不法占有者に対する妨害排除請求権を することができる。(最大判平11・11・24)[59-19-2, 4-8-オ, 8-15-1, 9-12-ウ, 17-14-オ, 20-14-ア]

8. (1)抵当権設定登記後に抵当不動産の所有者から占有権原の設定を受けてこれを占有している者がいる場合、その占有権原の設定に抵当権の実行としての競売手続を妨害する目的が認められ、その占有により抵当不動産の交換価値の実現が妨げられて抵当権者の優先弁済請求権の行使が困難となるような状態があるときは、抵当権者は、当該占有者に対し、抵当権に基づく 請求として、その排除を求めることができる。(2)抵当権に基づく妨害排除請求権の行使にあたり、抵当不動産の所有者において抵当権に対する侵害が生じないように抵当不動産を適切に維持管理することが期待できない場合には、抵当権者は、占有者に対し、直接自己への抵当不動産の明渡しを求めることができる。(3)抵当権者は、抵当不動産に対する第三者の占有により賃料額相当の損害を被るものではない(最判平17・3・10民集59-2-356)[20-14-ウエオ]。

(7)出題過去問の番号:[57-17-345, 59-19-2, 60-8-2, 62-12-3, 63-9-134, 63-17-125, 1-4-5, 1-5-5, 4-8-オ, 7-14-5, 8-15-1, 9-12-ウ, 13-12-ウ, 15-10-ウ, 17-14-オ, 17-16-ア, 18-16-ア, 20-14-アイエオ]

(8)過去問
1. 抵当権の目的は,不動産に限られない。
[1-4-5]

2. 次の学生の解答は正しいか。
教授:今日は,抵当権と根抵当権との比較をしてみよう。これらの担保権の目的については,どうですか。
学生:ア 抵当権と根抵当権とで差はありません。不動産そのもののほか,地上権や永小作権もその目的とすることができます。
[17-16-ア]

3. 動産の引渡しを目的とする債権を担保するために抵当権を設定することができる。
[63-9-1]

4. 賭博によって得た金銭債権を被担保債権として抵当権を設定することはできない。
[57-17-4]

5. 債務者を異にする数個の債権を担保するため,1個の抵当権を設定することができる。
[57-17-5]

6. 1個の貸金債権の一部を担保するために抵当権を設定することはできない。
[63-9-4]

7. A所有の建物甲及びB所有の建物乙が工事によって一棟の建物丙となった場合において,甲乙間に主従の区別をすることができないときは,甲について設定されていた抵当権は,丙のうちの甲の価格の割合に応じた持分を目的とするものとして,在続する。
(上記判例1参照)[15-10-ウ]

8. 保証人が主たる債務者に対して将来取得することがある求償債権は,抵当権の被担保債権とすることができない。
(上記判例2参照)18-16-ア]

9. 抵当権の設定の登記をした者は,その後,他人の虚偽の申請によってその登記が抹消された場合でも,その抵当権をもって第三者に対抗することができる。
(上記判例3参照)[60-8-2]

10. 被担保債権の弁済によって消滅した抵当権の登記を,他の債権のための抵当権の登記として流用した場合であっても,抵当権者はその弁済の前に登記された後順位の抵当権を有する者に対し,自己の抵当権が優先することを主張することができる。
(上記判例4参照)[63-17-5]

11. 担保物権に基づいては物権的請求をすることができない。
(上記判例5参照)[1-5-5]

12. 抵当権の侵害による不法行為に基づく損害賠償は,抵当権の実行により損害額が確定した場合でなければ,請求することができない。
(上記判例6参照)[13-12-ウ]

13. 次の学生の解答は正しいか。
教授:今日は,抵当権者が抵当不動産の占有者に対して明渡しを請求する場合について考えてみましょう。判例は,抵当権者が抵当不動産の占有者に対して明渡しを請求することができるとしていますか。
学生:ア 抵当権者は,抵当不動産の交換価値の実現が妨げられ抵当権者の優先弁済権の行使が困難になるような状態のときは,抵当不動産の所有者に対して抵当不動産を適切に維持又は保存するよう求める請求権を保全するため,民法第423条の法意に従い,所有者の不法占有者に対する妨害排除請求権を代位行使して抵当不動産の明渡しを請求することができるとしています。
学生:イ 抵当権は,抵当不動産につき,抵当権者が他の債権者に優先して自己の債権の弁済を受ける担保権であって,抵当不動産を占有する権原を包含するものではありませんので,抵当権に基づく妨害排除請求権を行使することはできないとしています。
教授:ところで,判例は,抵当権者は抵当不動産の占有者に対し直接自己に明け渡すことを請求することを認めていますか。
学生:ウ 抵当権は,抵当不動産を占有する権原を包含するものではなく,抵当不動産の占有はその所有者にゆだねられているので,抵当権者は直接自己に明け渡すことを請求することはできないとしています。
教授:抵当権者が抵当不動産の占有者に対し抵当不動産の明渡請求をしたにもかかわらず,その占有者が理由なくこれに応じないで違法に占有を継続する場合,判例は,抵当権者はその占有者に対し賃料額相当の損害賠償金の支払を請求することができるとしていますか。
学生:エ 抵当権者は,抵当不動産を自ら使用することはできないから,抵当権者は抵当不動産の占有者に対し賃料額相当の損害賠償金の支払を請求することができないとしています。
教授:抵当不動産の占有者の中には,抵当権の設定の登記がされた後に抵当不動産の所有者から占有権原の設定を受けている者もいますね。判例は,このような占有者に対しても,抵当権者が,抵当不動産の明渡しを請求することができるとしていますか。
学生:オ 抵当権は抵当不動産の所有者の使用収益を排除することができない権利ですから,抵当不動産の所有者に由来する占有権原を有するこのような占有者に対し,抵当権者は,抵当不動産の明渡しを請求することはできないとしています。
→ア (アは判例7参照、イは判例5参照、ウエオは判例8参照)[20-14-アイウエオ]

(9)追記:
何とか書き終えました。抵当権の最初の条文ですが重要な論点がとてもたくさんあると思います。テキストも何頁にも渡って解説が書いてあると思いますので、確認いただけたらと思います。
スポンサーサイト

別窓 | 民法物権 | コメント:0 | トラックバック:0
∧top | under∨
<<民法 第370条(抵当権の効力の及ぶ範囲) | 虫食い民法条文、虫食い判例で資格試験を突破せよ! | 民法 第366条(質権者による債権の取立て等)>>

この記事のコメント

∧top | under∨
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック

∧top | under∨
| 虫食い民法条文、虫食い判例で資格試験を突破せよ! |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。